YAMAMOTO CLINIC 山本クリニック
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切らずに綺麗?
  (2002/11/5)

“糸で留める”とか“切らずに”という言葉はなかなか日本人には魅力的な言葉であるようで、美容外科の宣伝を見ていると、この手の言葉が散見されます。それでは、本当に切らずに手術は可能なんでしょうか?一言で答えを出すとすれば“難しい”でしょう。ここで、出来ないと言い切りたい衝動に駆られるのに、こう言わざるを得ないのは、二重の埋没法は世界的にも評価が高く、(とはいえ、外人はほとんど二重の民族が多いのですが)その効果と手軽さには、私も時々感心してしまうからなんです。

ただ、じゃあなんで今回はこんな話題に振ったのかというと、先日雑誌を見ていて、いわゆるプチ整形の話が目に着いたからなのです。色んな美容外科の先生や美容関係のプロの方々の手技が紹介されていて、その中で、小鼻縮小や鼻先を細くする手術が、ものの数分で終わってしまうという内容だったのですが、私としては(一個人の医者としての私見)あまり効果があるとは思っていない(一時的な効果は少し出るものの、すぐに戻ってしまう)ので、自分の患者さんには勧めませんし、自分もほとんどやり ません。(ここで、ほとんどと書いたのは、どうしてもと頼まれた時には、しぶしぶやる事もあるので)

では、なぜ少ししか効果が出ないのでしょうか?それは、東洋人(日本人だけでなく)の鼻は組織が厚く、また硬いので、糸で引っ張って留めた位ではすぐにもとに戻ってしまうからなんです。(例えて言うなら、太いハムを糸で縛ってウインナーを作れないといった感じでしょうか?)ただ、雑誌の特集も良く読むと、戻ることもありますとは、書いてあったので、うそが書いてあった訳ではないので、雑誌に不満はないのですが、外科医が切らないのは、なんだかなーと何となく斑に落ちない感じがしてし まったのです。

先日、アメリカの先生に“日本の美容外科は非常に面白い。なぜなら、外科医は切ってこその外科なのに、切らないことを自慢しているからだ”と言われ、これは料理人が包丁を持たずに料理が出来ると自慢するようなものなのかなと思ってしまいました。効果が出る、出ないにかかわらず、患者さんのニーズに応えるのも、ある意味で医者の仕事であるので、術式自体を否定する気持ちなど全く無いのですが、やはり“外科医は、切ってこそなんぼの世界だ”などと、考えてしまう私は、旧式な外科医なんでしょうか?


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