YAMAMOTO CLINIC 山本クリニック
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医者の年末年始は超リッチ?
  (2002/12/9)

医者の年末年始の過ごし方は、一般の方には、ゴージャスなものに想像される様です。実際に患者さんからも“年末はハワイでゴルフですか?”とよく質問されます。最近は開業医の立場になってしまったので、さすがに緊急手術で呼ばれることもありませんし、受け持ち患者さんの急変で電話がかかってくることも無くなってしまいましたが、相変わらずハワイでゴルフという訳にはいかない状況です。
さて、今回はちょっと臨床的な話ではなく、医者のプライベートな生活について書いてみようかと思います。こんな話題を書く気になったのは、患者さんから最近私のホームページについてあれこれと言われ、その中で、“お医者さんがどんな生活をしているのか書いて欲しい”と言われたので、年末年始について書こうかという気になったのです。

まず、一口に医者と言っても科によって、生活が全然違いますし、大学によってもシステムがまちまちなので、これから私が書くのは私の生活ないし私の身近な先生についてという限定が着いてしまいますが、その分現実的なものであると御理解いただきたいと思います。私が所属していた外科では、年末年始という言葉は、医者になって10年は経たないと存在しないとさえ考えられていたような気がします。というのは、大学側から強制的に働かされるというより、働かないと生活費が稼げない(助手という役職につくまでは、月給が3万円程度)ので、仕方なくというか自発的に色々な病院で当直をしていました。最近マスコミでも、若い医者の生活が悲惨であるというような記事も取り上げられるようになってきましたが、まだまだ一般の方には浸透していない様子で上記のような質問が出て来ます。医者の当直費も皆さんが興味のある所ですが、相場は3万円(私立の病院の場合で、公立や大学病院では1万円位の事もある)で、仮に一ヶ月に10日当直すると30万円程度の月給になる訳です。

ただ、大学のノルマとしての大学病院での当直がこれに加算されるので、ひどい月だと20日も当直というような事態も生じて来ますし、さらに緊急手術がこれに加わると、ほとんど家に帰らないというような状況にもなります。こうした悲惨な生活を普段は送っている訳ですが、年末年始になると当直料が1.5倍程度になるので、医者は稼げる良い機会だとばかりに当直する訳なのです。私もこうしたパターンに漏れず当直で新年を迎える事が多かったのですが、個人的には大晦日と元旦に病院にいるのは好きでした。というのも、この2日間は一年のうちでもっとも病院が暇な日(これは私の個人的な意見)で、急患に当たる確率が低いので、病院の中でゆっくりと過ごす事が出来て、普段と異空間に自分がいるような感じ(言葉で表現するのは難しいのですが、夜の学校みたいな感じでしょうか)が好きでした。

こんな訳で、振り返ってみると、病院で新年を迎えた事があまりに多く、社会人になってから年末に遊ぶというのは、習慣的にすごい贅沢というか許されない行為をしているような後ろめたさがあって、当直をしない今でも、遊びに行けずに家でのんびりと過ごすようにしています。何かの小説の1シーンで、老人が“朝風呂なんて贅沢は、私は未だに出来ないでいるんです”という言葉を言うものがあったのですが、私の場合は“年末に遊ぶなんて贅沢は未だに出来ないのです”といった状況なんでしょうね。


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