YAMAMOTO CLINIC 山本クリニック
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フェースリフトの実際
  (2003/05/07)

時々、患者さんに“フェースリフトって何ですか?“という質問を受けるので、ここで具体的な事を少し書こうかと思います。

手術の目的が“顔を引っ張りあげる”ということは、大半の方が理解認識しているところなんですが、実際にはどの辺で切ってどういう風に手術をするのかが全く理解されていない気がします。それに手術名称も、クリニックによってまちまちで、“当院独自の”というような言葉も目に入り、患者さんとしては混乱するのも、もっともな事だと思います。ここでは、手術の名称的なことは二の次にして、どのように手術をしているのかという事を書こうかと思います。カウンセリングをしていると、悩みとして圧倒的に多いのが、鼻の脇から口にかけての“みぞ”で言葉を変えれば“頬のたるみ”だと思います。手術療法としては大きく分けて、二つあり、切開範囲によって1.トータルリフト2.ミニリフトと分けられているようです。ただ、現実的にはa.耳の上の髪の毛の中からはじまり耳の前を通り、耳の後ろ、さらに髪の毛の生え際(うなじの部分)にまで切開線が及ぶ場合b.耳の前から同様に、うなじまでの場合c.耳の上の髪の毛の部分から耳たぶの付け根くらいまでの場合に分けるのが現実的でしょう。いずれの手術方法でも皮膚に切開を入れて、皮下で剥離した後に、SMAS(スマス)と呼ばれる表情筋の筋膜を縫い縮めます。その後、皮膚を引っ張って、余った部分を切り取って縫い合わせて終わります。ですから、よく広告で“当院では、皮膚とSMASを引き上げる独自の”という言葉は全く意味がなく、これは非常に標準的な術式で、例えて言うなら盲腸の手術で、虫垂(一般の方に盲腸と呼ばれているもの)を切除した後に“断端を縫い合わせてます”と自慢するようなもので、要は本来やらなくてはいけない操作です。この切開する範囲によって持ち上がる範囲が異なり、広い範囲で切れば切る程、持ち上がる部分に違いが出来ます。特にa.の方法では首の筋肉も持ち上げるのでフェースラインが綺麗になります。

額を持ち上げるのは、アメリカでは“ブローリフト”と呼ばれ、“眉毛”を持ち上げるという事に神経が集中され、日本のように“額のしわを消す”のが目的であるのと若干ニュアンスが異なっていて、民族的な美的感覚の違いなんだろうなと思っています。さて、この“額のリフティング”にも切り方が二つあって1.髪の毛の生え際で切る場合2.髪の毛の中で切る場合とがあります。これらの違いは傷口が見える見えないという事もありますが、術後の額の広さが変わってしまい、簡単に言うと2.の方が額が広くなります。ただ、日本人には傷が見え難いというのが受けていて、2.の方が人気があるような気もしますが、アメリカでは1.が圧倒的に人気があり“額が広いのは格好良くない”という美意識の違いもこのようなところに現れています。

切り方はともかく、額の部分を広範囲に剥離した後に、前頭筋という筋肉に切れ目(一部切り取ったりします)を入れて額の筋肉を麻痺させた後に、余った皮膚を切除して縫い合わせて終わります。

以上が現実的な操作ですが、少しは分っていただけたでしょうか?ただ、最近では内視鏡を使用した手術をしたりと、先生によってもやり方が若干異なりますし、皮膚の切り方も施設によってという部分ですので、術前には十分に説明を聞いて下さい。さらにボトックスの使用方法の変化で、額のリフティングの適応も狭まった(ボトックスの使用で手術と同等の効果が上がる事も結構ある)感がありますし、広頚筋へのボトックスの注射で首のしわが消えたりすることもあるので、その人に最適な方法を考える必要性もあります。今回は具体的な事を書きましたが、いつも書いているように、“担当医とよく話す事”が重要であることに変わりはありません。


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