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最近、患者さんに“もし手術して、気に入らなかったら、お金って払わなくてもいいのですか?”と驚くべき質問をされたので、理由を聞いてみると、“そういうクリニックもあるので”と答えられました。ここで、こういう事が良いのか悪いのかは別として、法律的な解釈を加えてみようかと思います。
まず、美容にしても一般診療にしても、治療費というのは、“成功に対してではなく、医療行為に対して支払われるもの”だということです。これは、美容外科のなかで話を進めると分り難いので、一般の病気、例えば肺癌を例にとって書こうかと思います。肺癌になって医者にかかると、様々な検査をして、診断、治療計画が立てられます。
次に治療を開始するわけですが、ここで注意して欲しいのは、“不幸にして入院治療して、亡くなった場合でも治療費は支払わなくてはならない”ということです。治療を開始する時点で、医師は治ることを保障出来ないので、当然のことながら、治療というもの自体に対して患者さんに治療費を請求するわけです。
このように書くと、大半の方が“そんなの当たり前だ”と思うのですが、こと美容行為になると話が全く変わってしまうのです。話を元に戻しますが、美容医療の場合も、決して治らなかったと患者さんが思っていても、支払い義務が生じてしまうのです。これと、同様な職業は弁護士さんで、裁判に勝てなくても、弁護士費用というのは、支払わなくてはなりません。もし、美容外科で手術の結果に満足しなければ、支払いをしなくていいのなら、“美味しいものを食べようと思って、レストランに入ったのに、美味しいものが食べれなかったので、支払わない”という道理も通ってしまいます。このような訳で、私は患者さんには“手術を受けた段階で、手術費用の支払い義務が生じますし、いかなる理由においても手術費用はお返ししません”と説明しています。
反対に、だからこそ、きちんと納得した上で手術を受けていただきたいと思いますし、後悔はして欲しくないのです。どこの話でも書いていますが、このような事も含めて医者との術前の打ち合わせは、非常に大事だと思っています。
最近の私の患者さんで、他院でいれた鼻のシリコンを抜いて欲しいという方がいらっしゃいましたが、私は、自分の手術した患者さんの抜去の費用は要求しないで、術後のケアの一部として扱う事に決めているので、抜去だけに手術費用が発生することには、抵抗があるのですが、私の執刀した手術ではないので、手術代金もいただきました。
このように、術後のケアの仕方にも各医療機関の規定があると思いますので、術前にその点についてもきちんと質問していただきたいものです。美容外科というのは、患者さんの主観による部分も大きいと思いますので、医師としてどこまで責任範囲として患者さんとお付き合いするのかは、時々迷うこともあるのですが、何故迷ってしまうのかをきちんと患者さんにお話して決めることが大事だと思っています。
話は変わってしまいますが、最近リフトの相談にいらした方にも、手術でなく注射(ヒアルロン酸やコラーゲン)をお勧めしたのですが、外科医としては手術したいので、“手術はしたいのですが、あまり効果は望めないので”とご説明したら、笑われてしまいました。このように、そのまま説明すれば美容外科のトラブルが減るような気がしてなりません。
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