美容外科話

COLUMN

傷跡修正
第67話

傷の縫い方

傷を縫うのにかかる時間について

外来で手術の説明をしていると、“えっ、そんなに時間がかかるんですか?”と言われてしまうことがあります。

これは、実際に“縫う”という作業を患者さんは見たことがないので、ぴんとこないせいだと思います。そこで、今回は実際に縫うという作業の工程がどのような感じで行われるのかを書いてみようかと思います。

例によって、これはあくまで私の手術なので、先生によって違うという事も書き加えておきます。

実を言うと、この方の抜糸も終わっていない状況なのですが、ホームページの説明用に写真を使わせて欲しい旨をお話したら、快諾していただけたので、この場をお借りして深く感謝いたします。

また、もし診察にいらした方で、部分的(個人が同定されない程度)にお写真を提供してくださる方がいらっしゃいましたら、診察時に言っていただけると、私としては至上の喜びです。

刺青切除での事例

今回は、分かりやすいので刺青切除を例に取りますが、一般的に“切って縫う”という作業の一連の流れはこんな感じです。

まず麻酔をした後に皮膚を切り取ります。

この後縫うわけですが、抜糸をすると皮膚がゴムのように戻ってしまうので、傷口に引っ張る力が加わります。

前回の話で、抜糸後に皮膚の表面をテープで固定していただくことをかきましたが、皮膚の内側でも同じように引っ張られるのでこれらの引っ張る力に対抗する意味合いで、何層かに分けて縫い合わせて行きます。

この“中縫い”をおろそかにすると傷が綺麗に治りません。

ちょうど工事で例えるなら“外観だけ良い手抜き工事”といった感じでしょうか。


写真1
写真1

写真に示しましたが、まず深い層で縫い合わせます(写真1)。

写真2
写真2

次に、より皮膚の表面に近い浅い層で縫合をします(写真2)。

写真3
写真3

この方の場合は次回にこの傷の部分を切り取ってしまうのが前提なので、この後に皮膚縫合を加え(写真3)、3層構造にしましたが、仕上げに縫うときは、4層構造にしています。

単純に切って縫うだけなのですが、この“見えない部分”に、このように職人の技が隠れています。

よく、“他院では、もっと時間を短く言われた”という方にお会いしますが、
この理由として

1. 私よりも断然縫合技術に優れ、早く終わる
2. 中縫いをしない、あるいは少ししかしないので早く終わる

の何れかが考えられるので、術前には担当医に縫い方についても質問しておいた方が良いのではないでしょうか?

私のコラムの話も増え、いつも同じような言葉を書いてしまいますが、自分と関係ない部分は読んでいない方にも多くお会いするので、あえて書きますが、“術前に納得行くまで担当医とお話をされてから”手術を受けていただけたらと願っております。

最後に今回は、美容診療で来院される皆さんにお願いなのですが、私は“患者さんと私のそれぞれの時間を大切にしたい”と考えているので、急患が入らず、遅刻する方がいなければ時間通りに診察するように心がけています。

したがって、お時間を守っていただけない方やお約束を守っていただけない方とは私の方からお付き合いをご遠慮させていただいておりますので、この点はくれぐれもご容赦の程をお願いいたします。

ご質問がある方は、こちらまでメールを頂きたいと思います。
http://dr-yamamoto.com/contact/

私が責任をもって拝読させていただいておりますが、時間の関係上、スタッフが返信を書かせて頂いております。

また、スタッフブログもぜひご覧下さい。
http://ameblo.jp/yamaclistaff

『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。