美容外科話

COLUMN

豊胸・陥没乳頭・乳頭縮小
第63話

【陥没乳頭・陥没乳首の症例】東京新宿の美容外科 山本クリニック

前回、乳頭縮小の手術について書きましたが、一部の方から“陥没乳頭の手術も同じですか?”等の質問を受けましたので、今回は私が行っている陥没乳頭の手術をご紹介しておきます。例によって、術式は先生によって違いますので、術前に担当医からよく説明を受けるようにしていただきたいと思います。

この術式は、重度の陥没乳頭の方にも確実に効果が出せますが、他の術式には、効果が出ないばかりか、術後に“引っ張った状態で固定される”等のストレスも患者さんに与える物もありますので、これらの事も含めて術前に担当医からよく説明を受けるようにして下さい。今回の写真をお見せする方も、“重度”の方ですので、参考になるのではないかと思います。この手術のやり方には、かなりの数のバリエーションがありますが、上記の理由もあって、個人的にはこれが一番好きな術式です。


写真1、2
写真1、2

さて、術前の写真(写真1)ですが、乳首中央がかなり陥没しているのが分かると思います。麻酔は局所麻酔を使いますが、具体的なやり方は乳頭縮小の話に書きましたので、今回は省略いたします。
術前のデザインは、患者さんによって若干変わってしまいますが、乳頭の中央に割を入れ、乳首の基部となる部分にZ型のデザインを置くようにしています(写真2)。

写真3、4
写真3、4

乳頭の中央を開けながら(写真3)、乳頭を中に引っ張っている組織をみつけ、これらを剥離していきます。この作業が上手くいくと、乳頭が中に引っ張られなくなりますので、少し引っ張ると中に埋まっていた乳首を引っ張り出すことが出来ます(写真4)。

写真5、6
写真5、6

この後、乳頭の中で“底”を作り、再び乳頭が陥没しないようにします。写真の中で糸で縫い合わせてある部分が“底”になります
(写真5)。

最後に、形を見ながら、縫合していきます。縫合直後の状態を示しますが、乳首が出たのが分かると思います(写真6)。

よく“他院で手術を受けたのですが、相変わらず陥没しているので治療して欲しい”という方にお会いしますが、これは、乳首の基部だけを細くしてあり、中央部分の引き込みが解除されていないことが、ほとんどですので、今回御紹介した様な術式に切り替えれば良いのではないかと思っています。

この術式も、“当院独自の術式ではなく”、標準的な術式の一つだと思っていますので、“誇大広告”に乗せられることなく、よく考えた上で、治療を受けるようにしていただきたいと思います。

ただ、現実的には術前から完成時の乳頭の大きさや形を打ち合わせるのは、不可能に近いので、この手術を請け負う時には、“私に任せていただきたい”とお願いするようにしています。

『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。