美容外科話

COLUMN

目の上・目の下リフト
第70話

目の下の手術

いつも写真を提供してくださる患者さんには、感謝しておりますが、今回はご本人からホームページの使用許可を申し出ていただいたので、この場をお借りして深く感謝いたします。

今回は、比較的多い目の下の弛みについて書くとともに、手術の一つのやり方もご紹介しようかと思います。

目の下の弛みには、原因がいくつかあると思いますが、

1.皮膚の弛み
2.筋肉の緩み
3.脂肪の緩み 

が挙げられると思います。

したがって、治療もこれらを改善されるように計画する訳なのですが、その方の社会生活や年齢によっても治療法のバリエーションが生まれてしまいます。

特に30代の方にお会いすると、皮膚の弛みも筋肉の緩みもあまり無く、脂肪の緩みだけの場合が多いので、表面に傷のつかない経結膜的な(あっかんべーの状態にして、赤い結膜にレーザーで穴をあける)脱脂をするか、メソセラピーがファーストチョイスだとは思われるのですが、この手術は時として視野が悪いので、出血させると止血が難しいのと、メソセラピーは腫れが長引くことがあるというのが、難点だと思います。

この方の場合も、脂肪の容量が減れば、状態が改善されると思ったので、年齢的な事も考慮して、まずメソセラピーをお勧めしました。ところが、メソセラピーの腫れが長引いた(3週間程度との事でした)のと、効果があまり出なかったということで、手術を希望されました。


術前
術前

まず術前の状態ですが、目の下が膨らんでいるのが分かります(写真1)。これは、目の下の脂肪が加齢と共に緩んできたものです。

手術は“脱脂”を中心に考えたのですが、前述したように経結膜的だとメソセラピーで腫れたため、中の線維化が起こり手術が難しくなっている可能性があること、経皮的だと眼輪筋が縫縮でき、目元に張りを持たせることが出来る事等を考え、経皮的な手術を計画しました。

術前の脂肪の位置の目安と切開ラインをデザインしたものをお見せします(写真2)。
切開ラインは目の際ぎりぎりの目立たない所を選択します。

術中
術中

局所麻酔下に切開を加え、眼輪筋のすぐ上の層を丁寧に剥離し、目標とする所まで到達した段階で、深くまで穴を開け、脂肪を取り出します(写真3)。

適量の脂肪を切除したら、開けた穴を丁寧にふさぎ、眼輪筋を縫縮します(写真4)。

術後
術後

この後皮膚を縫合して手術を終わりにしました(写真5)。

このように、
1.手術中の操作が深部に及ぶので、程度の差はあれ、皮下出血は必ず起こる
2.縫合直後は傷が目立つ 
というのが、この手術の欠点だと思います。

この方の術後の経過は、また何かの機会に譲るとして、“わずか30分の手術で、10年前のあなたに”というようなキャッチフレーズも見かけますが、手術はそのように簡単な事では無いということをこの手術をお見せすることによって、ご理解頂けたら良いのではないでしょうか?

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『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。