美容外科話

COLUMN

目の他院修正手術
第75話

部分切開(ミニ切開・マイクロ切開)の修正

以前、切開法の修正について書きましたが、今回は部分切開の修正について書いてみようかと思います。

今まで部分切開の修正の方で写真の掲載に承諾をいただける方がいらっしゃらなかったのですが、今回お写真を提供していただいた方には、この場をお借りして深く感謝いたします。

部分切開(ミニ切開・マイクロ切開)修正の術前術後比較

BEFORE
AFTER

まず、術前の状態(写真1、2)ですが、部分的に食い込みがあり、凹んでいるのがお分かりいただけると思います。

外来でお会いする患者さんには、部分切開についてあまり認識がきちんとされていないと感じることが多いので、はじめに簡単に術式にも触れさせていただきますが、これは読んで字のごとくで、“部分的に切開法をする”という術式です。

つまり、切開法で加える操作を部分的に行うので、全切開で凹んでしまうような術式をされる先生に手術されると、部分的に凹んでしまうという当たり前の現象が起こります。

ただ、部分切開の修正は、部分切開で行うことは、きわめて困難なので、切開法の二重に準じた手術になります。

このような訳で、あえてこの手術の修正について新しく書く事も少ないのですが、通常は切開法よりも切除されている組織が少ないので、修正できる確率も高いのではないでしょうか。

修正手術を行うまでの期間について

よく患者さんに“他院で失敗されてしまったので、今すぐ修正して欲しい”と言われますが、どの手術の場合も落ち着いてから(形が変化しなくなってから)しか修正出来ないので、3ヶ月から半年の時間が必要になります。

今回の方も術後10日の時点で来院されたので、私も手術は出来ないと申しあげたのですが、このままでは社会生活に大きく支障をきたすとのことで、押し切られる形で手術をすることになってしまいました。

この方のようなケースは稀で、他の方に“修正もこの時期に出来る”と勘違いされるのは非常に困るのですが、病気と違い、場合によっては社会生活上非常にまずいことになってしまうので、術後にあわてるのではなく、“術前にきちんと検討していただきたい”というのが、私の考えです。

この方の場合、ラインは気に入っているとの事でしたので、傷の凹みを綺麗にするというのを目標に、a. 皮膚の若干の切除 b. 内部処理(瞼板か瞼板組織への固定、眼輪筋の切除等)のやり直しを計画しました。


写真3

術中の所見を述べますが、この方の場合は部分的に瞼板前組織が無くなっていて、これが凹みの原因だと分かりました。

そこで、癒着がひどい部分の癒着をはずし、他の部分の組織を若干切除し、平らになるようにしました(写真3)。

術直後の写真(写真4)

術直後の写真をお見せします(写真4)術後間もないのと、前回の手術からも時間が経っていないので、赤みと傷の腫れがあり、傷口が盛り上がっていますが、術前と比べると状態が改善されたのがお分かりいただけると思います。

この方のように、凹みを気にされて来院される方も多いのですが、何が原因で凹んでいるかは手術するまでは、推測でしかないので、術後の状態を請け負えません。

よく“症例写真”を広告で目にすることが多いのですが、術前に必ず担当医の手術した閉眼時の症例写真も見せてもらうことをお勧めします。

治療費、施術費に関しては、こちらを御覧下さい。

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『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。

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