美容外科話

COLUMN

目の他院修正手術
第302話

【眼瞼下垂】失敗手術の修正を画像で徹底解説

まず、このお話にご協力いただいたモニターの方に、この場をお借りして、深謝いたします。

当院は、連日、修正手術を行っている、非常に珍しいクリニックですが、その程度も様々です。

今回は、前医の『基本的な技術不足と思われる修正』症例の方をご紹介したいと思います。

まず、術前と術後3か月の状態をお見せしたいと思います。

BEFORE
術前の状態です。
AFTER
術後3ヶ月の状態です。

中途半端な二重が改善して、すっきりとした感じに変わったことがお分かりいただけると思います。

よく、このような方にお会いすると、『前医では、自然な二重を希望しました』とおっしゃられます。

一部の医師は、『自然な二重=幅が狭い二重』、というような数式が成り立っているようです。
しかし、ご本人の希望をよくお聞きすると、必ずしもこのような状況ではないことが分かります。


術前のデザインです。
術前のデザインです。

次に、この方の修正手術の方法と、その原因についてご説明していきたいと思います。

今回の方の術前の状態を見るとお分かりになるかもしれませんが、黒目がきちんと出ていない『眼瞼下垂』の状態になっています。

この場合は、二つの可能性が考えられます。

まず、前医の手術前からすでに眼瞼下垂の状態があった場合、次に前医での手術で眼瞼下垂になってしまった場合です。

時々眼瞼下垂が元からあったにもかかわらず、埋没法の手術を受けられている方にお会いすることもありますが、切らない眼瞼下垂でなく、一般的な埋没法を受けてしまうと眠そうな目が出来上がってしまいます。

この点を知らずに、手術を行ってしまう医師は、もう一度手術をきちんと勉強しなおす必要があります。

開瞼時を見ると分かりますが、余分な皮膚が、かぶってしまい、何とも重たそうな(眠そうな)二重が出来上がってしまっています。

この皮膚は、当然切除しなくてはいけないのですが、この切除方法を間違えると、とんでもない形状になってしまいます。

特に重要なのが、開眼時の状態を予想して、閉眼時の瞼にデザインを書くという『デザイン力』が担当医に要求されるということです。

実際に私が行った閉眼時のデザインをお見せしたいと思います。

この余った皮膚のみが問題ではなく、目を開け閉めすることに大きな役割を果たしている『挙筋腱膜』が傷ついてしまっていたことが、もうひとつの大きな原因でした。

術中の様子です。

術中の所見をご紹介します。

プロでも分かり難いと思いますが、矢印で示した部分が変に癒着していました(写真4)。

この癒着を手稲に剥がしながら、『腱膜や筋肉の位置を確認する』という技術が非常に重要です。

この技術がないと腱膜や筋肉に穴をあけてしまうからです。
また、それらを修正するだけの技量を持った担当医選びをする必要があります。

これらを、丁寧に剥がした状態(写真5)をご紹介したいと思います。

私が青いピンセットでつまんでいるところ(黄色矢印で示した部分)は、本来水色矢印で示した部分の位置にあるのが妥当なのですが、切り離されて?位置が変化してしまっていることが分かります。

これらを一つ一つ丁寧に分けて、元の位置に戻します。

先にも述べましたが、この際に組織に穴をあけてしまわないように、細心の注意を払いながら進めることと、組織の元の位置がどこだったのかを正確に見つけるという能力が要求されます。

こうした工程は、頭でわかっていても、技術的に再現することには、高度な技術と経験値が必要になります。

位置関係も含め、修復が終了した状態をお見せします(写真6)。

何となく、すっきりとした感じになったのがお分かりいただけますでしょうか?

抜糸直後と術後1ヶ月の状態です。
抜糸直後と術後1ヶ月の状態です。

術後5日目、抜糸時の状態(写真7)です。

目が開きにくく、重そうに見えるかもしれませんが、術前と比べると、状態が改善していることがお分かりいただけると思います。

術後1か月の状態(写真8)です。

二重の形状もまだ悪く、一般の方には、『これで本当に良くなるの?』と思われてしまうレベルだと思います。

修正手術は、このように時間がかかりますので、『修正手術には、経過に時間がかかる』ということを認識し、担当医を選んだ後は、担当医を信じていただきたいと思います。

⇒目の他院修正についてはこちらに手術例をまとめております

最近は、『修正症例は是非当院で』というような医療機関も増えましたが、そのような先生の所で、さらに悪化させられ、初回の修正手術ではなく、複数回の手術を受けられている方にお会いすることも多くなりました。

カウンセリングで、“簡単に綺麗になりますよ!今日やりましょう!”と軽い感じで修正手術を勧められた時には、特に注意が必要です。

修正手術の担当医を決める際は、非常に高度な技術が要求されますので、『担当症例写真を見る』などして、担当医は慎重に選んでいただきたいと重ねて申し上げておきます。

手術名: 眼瞼下垂修正(他院修正)

施術内容:眠そうな目、目の開きを改善する

副作用(リスク):一時的に悪化したように見えることがある

施術料金: 施術料金はコチラを御覧下さい

ご質問がある方は、こちらまでメールを頂きたいと思います。私が責任をもって拝読させていただいておりますが、時間の関係上、スタッフが返信を書かせて頂いております。
http://dr-yamamoto.com/contact/

また、スタッフブログもぜひご覧下さい。
http://ameblo.jp/yamaclistaff

当院のインタグラムのページもありますので、よろしければご覧下さい。
https://www.instagram.com/shinjyuku.yamamotoclinic/

今回は前医の『基本的な技術不足と思われる修正』症例の方をご紹介したいと思います。

眠そうな中途半端な二重が改善して、すっきりとした感じに変わったことがお分かりいただけると思います。

この方の修正手術の方法と、その原因についてご説明していきたいと思います。

『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。

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