まず、このお話にご協力いただいたモニターの方に、この場をお借りして、深謝いたします。
保険適応にて手術された眼瞼下垂手術後の修正相談について
当院は、連日、修正手術を行っている非常に珍しいクリニックです。最近は、保険適応にて手術された眼瞼下垂手術後の修正相談の方も増えてきました。
その中でも多いご相談が、『手術後にびっくり目になった』『手術をしたら、目が開け難くなった』というものです。
いずれの場合も、原因は同じことが多いので、今回は『びっくり目になった方』をご紹介したいと思います。
この方は、非常に術後約1週間と早い時期にいらしたので、以前にもご紹介しましたが、あれから半年が経過しましたので、術後経過と手術中の状態も含めてご紹介したいと思います。
術前術後の比較
まず、術前と術後6か月の開瞼時の状態を比べて頂きたいと思います。
びっくりした表情が優しい感じに落ち着いているのがお分かりいただけると思います(写真1, 2)。
こうして見て頂くと、さも簡単に改善したかのように誤解してしまいますが、修正手術は、いつも書いているように、術後に左右差等が生じ、一時期悪化するのが特徴です。
開瞼状態の経時的変化もお見せしますので、イメージをつかんでいただきたいと思います(写真3, 4, 5)。
この手術の肝は、手術中に組織をいかに傷めずに適切な位置に移動させるのかということです。
そのため、最小限の操作で、最大限の効果を導き出すという熟練した技術が要求されます。
また、皮膚切開も最小限にとどめる必要がありますので、デザイン力も同時に要求されます。修正手術時のデザインをお見せします(写真6)。
手術中には、出血を最小限に留める技術も大事な要素です。
これは出血によって組織が膨らんでしまい、的確な判断が出来なくなってしまうからです。
私の手術中の組織処理前(写真7)と処理後(写真8)を比べて頂きたいと思います。
出血量が少ないというのがお分かりいただけますでしょうか?この症状は、挙筋腱膜という部分の固定位置が悪かったために起こります。
目が開け難いというのも同じ原因である事がほとんどですが、開き過ぎたものを下げるというのは、開け難いものを修正するよりも非常に難しくなってしまいます。
この点を含め、担当医には、術前に細かく聞くことが必要だと思います。
他院保険診療で手術を受けられた方に、『結果に文句を言わなかったのですか?』と質問すると、『医師から保険診療だから仕方ない』と言われたという方にお会いすることも珍しくありません。
確かに、機能回復を主に考える保険診療手術では、形状にこだわらないのかもしれませんが、『社会生活が送れない形状』や『閉瞼できない』、『目が開きにくい』というような術後状態では、保険診療といえども許されないと思います。
患者さんが、『保険でやるから安心』という理由にならない安心感で気楽に手術を受けられることも非常に危険だと思います。
いずれにしても、術前によく担当医とご相談することが大事だと思います。
最後に閉瞼時の傷の状態もご紹介したいと思います。
術前(写真9)と術後6か月(写真10)を比べて頂くと、術前の傷が汚く目立っていましたが、術後6か月たつと目立ち難くなっているということがお分かりいただけると思います。
この傷は、今後時間が経つとさらに改善するというのが一般的です。
関連動画はこちら
※出血シーンがございますので閲覧にご注意ください。
いつも同じことを書きますが、修正手術は、このように『経過に時間がかかる』上に『一時的に悪化して見える』ということも度々起こります。
また、それ以前に、担当医の能力の高さが要求されます。修正手術の担当医を決める際は、非常に高度な技術が要求されますので、『担当症例写真を見る』などして、担当医は慎重に選んでいただきたいと重ねて申し上げます。
治療費、施術費に関しては、こちらを御覧下さい。
http://dr-yamamoto.com/cost/
【眼瞼下垂手術を後悔】他院手術の修正手術
近年、眼瞼下垂手術の普及と共に、修正手術のご相談が増えました。
特に『保険で出来るよ』『肩こりもなくなるよ』『目元が若くなるよ』等の言葉は、患者さんにとっては、非常に魅力的で、このようなご説明のもとに手術を気楽に受けられたというお話はよく耳にします。
確かに保険診療内でも、手術は可能ですが、『仕上がりの形状』にこだわって手術をされる先生がどの程度いらっしゃるのかは、非常に疑問です。
やはり目の手術ですので、『見た目も大事』なのではないでしょうか?
今回の方は、保険診療で眼瞼下垂を受けたのだけれども、形状や目の開き方が気になるというご相談でした。
眼瞼下垂手術の修正手術のビフォーアフター
早速経過をご紹介したいと思います。
術前と術後6か月の状態を比較していただきたいと思います。
術前の何となくぼやけた感じが、はっきりとしたのがお分かりいただけるのではないでしょうか?
治療計画について
この方の症状の原因としては、
1.皮膚が余っている
2.目を持ち上げる挙筋腱膜の力がうまく伝わっていない事が考えられました。
そこで、治療計画としては、
1.余っている皮膚を切除する
2.目の開き方を調整する
という計画を立てました。
修正手術時の皮膚切除範囲をお見せします(写真3)。
眼瞼下垂修正手術の術中の様子
手術中の所見です。
黄色い矢印で示した部分に、眼瞼下垂手術の肝である固定の糸が見られますが、この固定位置が間違っていました(写真4)。
これらを外し、再度適正な位置に止め直したのちに、開瞼閉瞼を繰り返していただき、微調整を加えます。
この微調整が非常に大事で、術後の目の雰囲気を左右してしまいます。
再度糸にて固定した状態(写真5)をお見せします。
眼瞼下垂の修正手術後の経過について
次に術後の経過をご紹介します。
術後5日目、抜糸時の状態です。
腫れているだけなのか、修正手術前よりも悪化したのかが、患者さんには分かり難い状態だと思います(写真6)。
術後1か月の状態(写真7)です。
二重にも浮腫みが残り、目の開き方も術前とあまり変化がないように感じると思います。
この時点で、患者さんとしては『1か月も経過したのに、全然良くなっていない!』と感じられるかもしれません。
しかし、修正手術の術後経過というのは、非常にゆっくりと経過しますので、この後に少しずつ改善していきます。
術後3か月の状態(写真8)をお見せします。
目の開き方が改善し、二重の浮腫みも改善してきたことがお分かりになると思います。
このように、修正手術では、非常に経過がゆっくりで、時として『いらいらする』患者さんにお会いすることもあります。
術前には、このような時間経過も含めてお考え頂いた上で手術を受けられることが非常に大事だと思います。
最近は、修正手術を宣伝する医療機関も増え、『私なら治せる。任せなさい』と心強いお言葉のもとに患者さんが手術を受けられ、さらに悪化しているという方にお会いすることも珍しくなくなりました。
どのような修正を行うにしても、安請け合い出来るようなものではないと思いますので、言葉巧みにその気にさせる医師には、注意が必要だと思います。
手術というものは、口でするものではありませんので、その医師が担当した症例写真を十分に検討するなどして、慎重に担当医を選んでいただきたいと思います。
修正手術は、初回手術とは全く異なる経過をとり、一時的に悪化したように見えます(しつこいのですが、ブログを見て下さいね)左右差が術前よりも強調されてしまうことも珍しくありません。
修正手術を受けられる方は、こうした事も覚悟して、術後は担当医と一緒に頑張って頂きたいと思います。
手術名:眼瞼下垂修正(他院修正)
:目頭切開修正
施術内容:眼瞼下垂修正にて、目の左右差・形状を修正する
目頭切開修正を行い、もう少し広げる目頭を広げる。
副作用(リスク):術後の腫れ、赤み、一時的に悪化したように見えることがある。
手術料金:眼瞼下垂修正(通常料金¥648,000、モニター料金¥518,400)
目頭切開修正(通常料金¥324,000、モニター料金¥259,200)
治療費、施術費に関しては、こちらを御覧下さい。
https://dr-yamamoto.com/cost/retouching/#cost-1-1
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当院のインタグラムのページもありますので、よろしければご覧下さい。
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