美容外科話

COLUMN

目の他院修正手術
第444話

【目頭側のぷっくり】皮膚切除だけでは足りない理由と対策

まず、このお話にご協力いただいたモニターの方に、この場をお借りして深謝いたします。

この方は、他院にて切開重瞼術を受け、目頭側がぷっくりして、お化粧が難しいのと目元がすっきりしないというお悩みで受診されました。

この様に、『ぷっくり感』を主訴にいらっしゃる方は、珍しくはないのですが、同時に『他院では、皮膚切除をすれば良くなると言われた』とおっしゃられる方にお会いする事が非常に多い事にも驚かされます。

二重切開で目頭側がぷっくりする原因

まず、このような状況になっている原因には、主に以下の2つが考えられます。

1.瞼板前組織という部分が取られすぎて、局所的な循環不全のために浮腫が生じている場合
2.目頭側の二重の作り方が弱く、十分に引き込まれていない場合

ですから、『皮膚切除』だけでは、上記の2点に対する治療が行われていないことになり、『改善しない』という状況になってしまいますし、下手をすると皮膚が足りなくなって『閉瞼不全』を起こすということも十分に考えられます。

この皮膚の過剰切除が行われた場合には、植皮をして対応しなくてはならず、『綺麗な目元からは、ほど遠い』という仕上がりになってしまう可能性が非常に高くなります。

二重切開修正のビフォーアフター

では、実際の状態をお見せします。

BEFORE
手術前(写真1)
AFTER
術後6カ月(写真2)

術前(写真1)と術後6か月(写真2)を比べて頂くと、目頭側の浮腫みも軽減され、二重がはっきりとした感じに変わったのがお分かりいただけると思います。


手術前(写真3)術後6カ月(写真4)
手術前(写真3)術後6カ月(写真4)

この方の閉瞼時の術前(写真3)と術後6か月(写真4)を比べて頂くと、術前に創部の凹みもなく、瞼板前組織を取られ過ぎたのではなく、二重の作り方が弱いことが考えられました。

術前の皮膚切除のデザイン

手術デザイン(写真5・6)
手術デザイン(写真5・6)

術前にそのような原因推察をしましたので、『皮膚切除は最小限』にした修正手術を計画しました。

術前の皮膚切除のデザインをお見せします(写真5, 6)。

二重切開修正の術中の様子

処置後(写真7)
処置後(写真7)

実際に手術をしてみると、瘢痕組織が多く、これらが目の開きを担っていて、本来の挙筋腱膜の動きが弱っていることに気が付きました。

そこで、挙筋腱膜の動きを補強しながら二重を作り直すという手術を行いました。

中の処理が終わった状態をお見せします(写真7)。

この様に、術前のプランニングと異なる手術になってしまうこともしばしばで、『開けてみないと分からない』というご説明をよくする理由です。

言葉で書くと非常に簡単なのですが、前回の手術によって組織が硬くなっている部分を剥離するという工程は、ちょっと力を加えただけで、組織に穴が開いてしまいますので、非常に高度な技術が要求されます。

よく、『他院でこの処置もやった方が良い』と勧められたという方にお会いしますが、『美容医療も医療』ですので、『必要なさそうなことは極力やらない』という方が、私的にはしっくりきます。

当院ではそのような考えで、スタッフにも『営業行為はしないように』教育をしています。

もしかすると、こうした方針が『愛想が悪い』『やる気がない』という印象を与えてしまうのかもしれませんが、これも私の診療ポリシーですので、ご理解頂きたいと思っております。

いつも同じことを書きますが、こうした修正手術を行わなくても良いように担当医選びを慎重に行うことを強くお勧めします。


目の他院修正手術についてはこちらに手術例をまとめております

ブログでは手術後の腫れについてご紹介しております。
https://ameblo.jp/dr-y-yamamoto/entry-12677547774.html

noteでは傷の経過についてご紹介しております。
https://note.com/yamamotoclinic/n/n0227255eb913

施術名:二重切開修正

施術内容:この方の場合、他院にて二重切開を受け、目頭部分のぷっくり感と術中の判断で挙筋腱膜の動きを補強しながら二重を作り直すという手術を行いました。

副作用(リスク):術後の腫れ・一時的に悪化したように見えることがある・手術後の経過に時間がかかる

施術料金:二重切開修正¥770,000(税込)モニター¥654,500(税込)
        

治療費、施術費に関しては、こちらを御覧下さい。
https://dr-yamamoto.com/cost/retouching/#cost-1-1

ご質問がある方は、こちらまでメールを頂きたいと思います。私が責任をもって拝読させていただいておりますが、時間の関係上、スタッフが返信を書かせて頂いております。
https://dr-yamamoto.com/contact/

また、スタッフブログもぜひご覧下さい。
https://ameblo.jp/yamaclistaff

当院のインタグラムのページもありますので、よろしければご覧下さい。
https://www.instagram.com/shinjyuku.yamamotoclinic/

今回の方は、他院にて切開重瞼術を受け、目頭側がぷっくりして、お化粧が難しいのと目元がすっきりしないというお悩みでした。

『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。

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